おひとりさまの老後資金はどれくらい必要?資金の貯め方も解説!
公開日: 2021年07月12日
更新日: 2022年04月09日
- くらし全般
おひとりさまが老後の生活に必要な資金は、どのくらいになるのでしょうか。 高齢化が進んだ今、長生きをすることも想定してシミュレーションしておく必要があります。
統計をもとに、大体の必要資金を見ていきましょう。 また、必要な資金がわかったら、それをどうやって貯めるのか、という点も気になりますね。
おひとりさまが安心して老後を過ごせるように、資金を貯めるいくつかの方法も紹介します。
おひとりさまとは
一人暮らしの人の中でも、ある程度の年齢以上の人を「おひとりさま」と呼ぶことがあります。 おひとりさまになるのは、長年独身を通してきた人や、離別・死別で配偶者がいない人、成人した子供と別居している人です。
最近では、高齢のおひとりさまも増えています。 総務省の統計によると、65歳以上の高齢者のうち、独居の男性は約13%、女性では約21%(平成27年度)にのぼるのです。
高齢化や核家族化も進む中、おひとりさまになるシニアは多くなっていると言えるでしょう。
おひとりさまの老後に必要な資金はどれくらい?
総務省の家計調査年報(2019)によると、60歳以上無職の単身世帯における一か月の支出(消費支出と税金等を含む)は、平均で151,800円とのことです。
一方、無職の単身世帯における一か月の実収入は、平均で124,710円となっています。 つまり、平均で毎月27,090円、年間で325,080円不足することとなります。 日本人の平均寿命(2019年)は男性が81歳、女性が87歳を超えており、ここでは85歳まで生きたとしたらどうなるか計算してみましょう。
60歳から85歳までの25年間で、不足分はざっと8,127,000円、老後のためには800万円以上の資金が必要ということになりますね。 ただし、高齢者の場合、病気にかかって入院したり、介護施設に入ることも考えられます。
家族に頼るわけにはいかないおひとりさまの場合、安心して老後の生活を送るには、急な出費に備えて、更に十分な資金を準備しておくことが望ましいと言えるでしょう。
おひとりさまが老後の資金を貯めるためには
ライフプラン・マネープランを立てる
十分な老後資金を貯めるためにまず行いたいのが、マネープラン・ライフプランを立てること。 今後必要な金額がどのくらいなのか知っておかなければ、目標が見えてこないからです。
月々の生活費と固定資産税、ローンなどを合わせて、年間で支出がいくら生じているのか計算しましょう。 「老後は一年に一回は旅行をしたい」等というプランがあれば、その資金も計算しておきます。
それに加えて、身体に支障が出たり認知症になった時に住まいをどうするか考えて、その際に必要な資金も考えておきましょう。 病気にかかった時の入院費・治療費として取っておくべき資金ももちろん必要です。
また、自分の資金力の把握をすることも大切です。 退職金・貯蓄・不動産等の額を把握しましょう。
年金でいくらずつもらえるのか、という点も確認が必要です。 このような手持ちの資金と支出を見比べて、毎月いくらずつ貯蓄をとりくずしてもよいのか考えていきましょう。
場合によっては、娯楽費を見直したり、自宅の売却を検討することも必要になってくるかもしれません。
積立貯金をする
老後の資金を貯めるために、仕事をリタイアするまでは、積立貯金をするのがおすすめです。
積立貯金は、毎月自動的に口座から引き落とされるので、いわば強制的に貯金ができます。 お金が余った時に自分で貯金をしようと思っても、なかなか貯まらないものです。 積立貯金はお金を入れ忘れることがないので、必ずお金が貯まるシステムと言えます。 銀行ならどこでも積立貯金のシステムがあるので、お給料の振込口座のある銀行で設定しておきましょう。
途中で「お金が足りなくなったから」と解約すると損をしてしまうので、生活に必要な経費を確保し、無理のない金額に設定しておくのがコツです。
さらに、お金に余裕のある時は、積立貯金の口座に自分で入金するようにすればよいでしょう。
また、月々の引き落としの他に、ボーナス時に多めに引き落とす設定にしておくこともできますよ。 退職までまだ間があるという人、面倒なことは避けたいという人にはお勧めしたい貯蓄の方法です。
利率はそれほど高くはありませんが、元本保証なので安心という点もメリットといえます。
資金形成のための制度を利用する
資金形成の方法として、確定拠出年金、つみたてNISAなどの制度を利用する方法もあります。積立貯金や通常の投資信託よりもお得なことがあるので、チェックしておきましょう。
確定拠出年金とは、月々の年金に上乗せするための制度で、企業型と個人型(iDeCoとも呼ばれる)があります。 企業型は勤め先が、個人型は個人が毎月一定額の掛け金を出し、運用を行って年金にするものです。
通常の貯金と違うのは、税金の優遇があること。 積み立てた分は所得控除の対象になり、運用益は非課税なのでお得です。
つみたてNISAも老後の資金形成によく利用されます。 毎月、銀行口座から一定の額を引き落として積み立てていく点は積立貯金と同じですが、つみたてNISAの場合は、そのお金を投資信託で運用するのです。
また、一般の投資信託と異なり、税制上の特典があります。 毎年40万円までですが、20年間は配当も売却益も非課税になるのです。
投資なので利益がどのくらい出るかは、商品やその時の状況によりますが、積立貯金よりは利率が高い可能性があります。
再就職する
シニアが老後の資金を貯めるためには、定年後、何らかの形で働くこともおすすめです。
例えば、これまで勤めていた会社で継続雇用や再雇用をしてくれる制度があるなら、利用しない手はありません。 また、ハローワークでは、シニア向けに「生涯現役支援窓口」が設けられている場合があります。 60歳以上でも就職ができるよう支援を行ってくれているので、多くの人がハローワークを通じて仕事を見つけているのです。 求人サイトで仕事を探すなら、「シニア」や「60代」というキーワードで絞り込みをしてみましょう。 各市町村に設けられている、シルバー人材センターで仕事を探すという方法もありますね。
働くことは、人とのつながりを保つことにもつながり、心の健康にも役立ちます。 ただし、若い時のように身体に無理がきかないこともあるので、自分の状況を良く見極めて仕事を探しましょう。
また、収入が増えすぎてしまうと、その間はもらえる年金が減ってしまう場合もあります。 年金の受給金額にも注意しながら、仕事の量を決めるようにしましょう。
おひとりさまは老後の資金計画をしっかりと
おひとりさまの場合、家族を頼れないこともあるので老後の資金をしっかり貯めておくことは大切です。
今後、必要となるお金をきちんと把握して、計画を立てましょう。 年金だけでは足りない分や、病気等いざという時のために、しっかりお金を貯めておくと安心ですね。
資金を貯める準備は、早くから始めたほうが安心です。 まずはしっかり計画を立てて、堅実に老後資金を貯めていきましょう。
資金など老後について考え始めたおひとりさまへ
老後資金を今のうちから考えることをきっかけに、老後のいきいきとした生活について思いを巡らすおひとりさまも多いと思います。
しかしその一方で、老後の生活について不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうしたおひとりさまや、ご家族にご迷惑をかけたくない方におすすめしたいのが、身元保証を行っている会社や団体のサービスです。 ここでは、「身元保証相談士協会」を紹介します。
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また、必要があれば、生前に必要な高齢者用施設の入居の手続きから、緊急時の駆け付けなど幅広いサポートもしてくれます。
安心して老後を過ごしたいというおひとりさまは、無料で専門家に相談ができますので活用してみることをおすすめします。
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