健康寿命を意識した高齢者向け施設の選び方

公開日: 2022年05月31日

更新日: 2022年06月01日

  • 介護・高齢者施設

いつまでも健康に暮らしていたいと願う方がほとんどかと思います。
長寿大国である日本の平均寿命は毎年伸びており、厚生労働省による最新の「令和2年簡易生命表」によると女性の平均寿命は87.74年男性は81.64年と、特に女性は世界でもダントツの一位となっています。

ただし、やみくもに長く生きればいいというものではなく、例えば認知症を患い要介護である状態で暮らしていくよりは、健康上特に問題なく楽しく暮らしていきたいと思われるのが普通です。
この介護を必要としない期間のことを近年では「健康寿命」といいます。健康寿命とは、WHOが提唱した新しい指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間のことで、最近ではよく耳にするようになりました。

一般的に高齢者向けの住まいのイメージというと「健康寿命が終わり、介護が必要となった方が(ご自身の意思に関係なく)住む場所」という方が多いようです。
しかしながら実際は健康寿命を延ばす可能性を秘めた、高齢者が安心して健康的に楽しく過ごせる場所ではないかと私どもは考えます。

厚生労働省による健康寿命の定義とは

健康寿命の定義について厚生労働省では以下のように述べています。
なお、健康か不健康かの定義としては、国民生活調査票(アンケート調査)に生命表を基礎情報として、サリバン法を用いて算出しています。

健康寿命(平成22年) 女 73.62年 男 70.42年 

以下の主指標①と副指標②を元に割り出されるのが「厚生労働省が定義する健康寿命」です。

  • 主指標①:あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響があるか、という質問に対し、「ない」と答えた方を「健康」とする
  • 副指標②:あなたの現在の健康状態はいかがですか、という質問に対し、「よい」「まあよい」「ふつう」と答えた方を「健康」とする

※上記の算出方法には課題があるため変更の可能性あり(2019年厚生労働省による)

心と体の健康寿命

健康寿命は体の健康のみならず、心の健康も併せて考えることが重要であると考えます。

体に問題がなく健康に過ごしている人が必ずしも充実した生活を送っているとは限りません。逆に介護を必要とされる方でも幸せな日々を過ごしている方もいらっしゃいます。
心と体の双方が充実してこその健康寿命なのです。

健康寿命を意識した施設探しを

「介護が必要になったら高齢者施設の入居を検討する」という方が非常に多いのが印象的です。もちろん住み慣れた素敵なご自宅をお持ちの方にとって高齢者向け施設は、介護が必要となって“仕方なく”入居する場所かもしれません。

しかしながら、実際のところ高齢者向け施設は心と体の健康寿命を延ばす場としての機能も兼ね揃えているといっても過言ではありません。

高齢者向け施設ってどんな場所?

まず、サービス付き高齢者向け住宅をご紹介します。
このタイプの施設にはお部屋の中にキッチンやお風呂、洗濯機置き場があり、通常のマンションと同じように生活できます。また、外出も自由にできるのが特徴です。

通常生活を送ることが可能としながらも、11回以上の安否確認のサービスが付いており、お部屋で何かあった際はスタッフが駆け付けてくれるため早い段階での発見が可能となり、病気やお怪我の重症化を防ぐことに繋がります。

さらにサービス付き高齢者向け住宅では、ご希望の方にはお食事のサービスも提供することができるため、お買い物やお料理、片付けに費やしていた時間を趣味やご友人との時間に充てることが可能です。

では介護付き有料老人ホームはどうでしょうか。
介護付き老人ホームには看護師が常勤しており、介護職員は24時間常駐しています。最近では、今は健康でいらっしゃる方でも「何かあった時に身近にスタッフがいてくれると安心」と利用される方も増えています。

また、介護付き有料老人ホームは施設内でのイベントが多いのも特徴のひとつに挙げられます。サービス付き高齢者向け住宅に比べ、介護付き有料老人ホームではさまざまなイベントを通して趣味の合うお友達を作りやすく、充実した楽しい日々を過ごせると人気です。

お一人で暮らしていた方から、ご自宅にいらっしゃった時より笑顔の絶えない生活が送れているとの喜びの声も頂戴しています。現在はコロナ渦によりイベント内容に制限はありますが、スタッフが試行錯誤して入居者の皆様に楽しんでもらえるようなイベントを日々考案しています。

一例を挙げますと、お酒好きな方がバーカウンターのあるホームに入居され、夜はお酒に関するイベントに参加して仲間を増やしたり、人工温泉の併設された施設に入居して心身ともに健康になられたりする方など、趣味を生かせる施設を探して入居される方も多くいらっしゃいます。

このように毎日楽しく過ごせると人気の介護付き有料老人ホームですが、日頃より看護師や往診のお医者様による健康チェックもきちんと行われ、緊急時にも対応してくれるため、安心して日常生活を送ることができます。

他にも食事にこだわっているホームや、リハビリを充実させたホームでは集団体操やスタッフが介添えをしての散歩、専門家によるリハビリが提供される施設もあります。

介護付有料老人ホームで心の健康寿命を延ばす

上記において、サービス付き高齢者向け住宅も介護付き有料老人ホームも心身ともに健康寿命を延ばす可能性があるとご説明させていただきました。
厚生労働省が定める健康寿命では「要介護2以上」の方を“体の健康寿命が終わった”としていますが、介護付きホームに入居した場合、このような方々の「心の健康寿命」を延ばす可能性があると強く主張したいと思います。

要介護とされている方がリハビリやマッサージの提供を行っている介護付き有料老人ホームに入居した場合、スタッフが日常生活のお手伝いを行いながらリハビリをしていただけます。施設ではバリアフリーを徹底しておりますので、ご自宅では使えなかった車椅子での移動も可能となり、お痛みを和らげつつお部屋でゆっくり過ごしたり、イベントに参加したりできます。

また、認知症で要介護とされている方は、認知症の対応に特化した介護付き有料老人ホームに入ることでスタッフに優しく接してもらい、ご自宅にいた時より穏やかな気持ちで過ごすことができる可能性があります。

施設選びの際は入居目的を明確にしてから

入居者ご自身で高齢者向けの住まいを探される場合はもちろんのこと、ご家族が探す場合にも目的をしっかりと持って施設選びを行ってください。

現在ご自身の体に不調がある方や介護が必要とされる方は「体の健康寿命」を延ばすサービスを提供してくれる施設に焦点を当てて探します。
健康だけど楽しい生活を送りたい、仲間を作りたいという方は、「心の健康寿命」を延ばすことができるサービスを提供してくれる施設を探してみるといいでしょう。

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