エンディングノートの書き方!メリットや注意点・選び方・内容など
公開日: 2021年05月13日
更新日: 2022年05月20日
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- 相続・遺言
最近話題のエンディングノート、書いてみようかなと思う人もいるかもしれません。
しかし、そもそもエンディングノートを書くことにはどんな意味があるのでしょうか。
ここではエンディングノートを書くメリットや、書くべき内容について解説します。
また、遺書とはどのような点で違うのかという点も気になるところですね。 その他、エンディングノートの選び方や保管方法等についても紹介します。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、自分の身に何かあった時のために書き残しておくノートのことです。
別名を終活ノートということもあります。 書く内容は人それぞれですが、病気などで意思の疎通ができなくなった時、または死後、相続や葬儀の際に役立つと思われる情報を整理して書き込んでいくのが基本です。
このノートを書いておくことで、老後の医療や介護、葬儀、遺産相続について家族に自分の意思を伝えることができるでしょう。
いざという時このノートがあれば、家族がそれに従って判断を下したり、スムーズに手続きを進められるかもしれません。
また、ノートを書いていく中で、これまでの人生を振り返り、生き方を改めて考えるきっかけにもなるでしょう。
エンディングノートと遺言書
遺言書とエンディングノートは内容的に重なる部分もありますが、大きな違いもあります。 特に異なるのは、法的強制力の有無です。
きちんとした遺言書を書いておくと、遺産相続等について法的な強制力を持たせることができます。
でも、エンディングノートだけでは、自分の意思が通るとは限りません。 相続について、家族の意思とは関係なく絶対に守ってほしいと思う内容については、エンディングノートだけでなく遺言書を作成しておくことが必要です。
法的な効力を持つ遺言を残したい時は、公証人に助言を受けながら遺言書を作成しておくか、自筆の遺言書を作成して公証人に預かってもらうなどしておきましょう。
また、遺言書とは異なり、エンディングノートには医療や介護についての希望や、葬儀の方法など多様な内容を盛り込むことができます。
エンディングノートの利点
自分の想いを託せる
いざという時に、自分の想いをきちんと家族に伝えられる、ということがエンディングノートの大きなメリットです。
きちんとノートに書いておけば、認知症や意識不明になっても家族が判断に困らずにすみ、また自分の思いを反映させて医療や葬儀を進められるのです。 例えば、突然倒れてしまった時に、過剰な延命医療を受けたくないと思っても、家族にはなかなかその判断ができません。
また、亡くなった後どんな形で葬儀をしてほしいかということや、連絡してほしい友人も、具体的に書いてあれば家族が対応しやすくなるでしょう。
家族も助かり、自分の想いもしっかり託せるようになるのです。
経済状況を把握できる
エンディングノートの作成は、自分の経済的状況を改めて把握する機会にもなります。 すべての銀行預金や投資、不動産などを整理してみることで、どのくらいの資産があるか把握できるでしょう。
また、それをもとに、老後の資金が十分かどうか計算することも可能です。 このような作業を行っておくことは、子孫に財産を残すというだけでなく、老後の生活を安定させるためにも必要と言えます。 日ごろ何気なく過ごしていると、どれくらい経済的に余裕があるかきちんと把握できないままになりがちです。
エンディングノートは、家族のためだけのものではなく、自分の今の生活にも役立つものといえます。
今後の人生と向き合えるようになる
エンディングノートを書くことは、今後の人生と向き合うことにつながります。 自分の情報を整理してみることで、これまでの人生を振り返り、また自らの老いや死について考える機会になるからです。
日常生活に追われていると、自分の人生や今後について深く考える機会はなかなかないかもしれません。
ノートに自分の手で書き込んでいく中から、これまでやり残したことや、この後やっておきたいことも見えてくるのではないでしょうか。
エンディングノートの選び方
エンディングノートは、項目別に書き込めるようになっているものが書店で販売されています。 簡単なものなら、100円均一のお店でも売られていることがあります。 いくつか試しに中身を見て、書きやすそうなものを選びましょう。
場合によっては、自分で使いやすいノート等を用意して作成してもいいですよ。
また、スマホを使っている人ならエンディングノートアプリを利用する方法もあります。 いつでもどこでも更新できますし、書いているところを家族に見られるのが嫌という人にもおすすめです。
スマホよりパソコンの方が使い慣れているという人には、ワードなどのファイルにしておく方法もあります。 エンディングノート用のテンプレートを無料で配布しているホームページもあるので、それを利用して作るのもよいでしょう。
ただし、スマホやパソコンで作った人は、パスワードを家族に教えておく必要があります。 いざという時に、パスワードがわからず、内容を見られなかった、ということにならないよう注意しましょう。
エンディングノートの内容
自分自身について
書いておきたいこととしては、まず自分自身のことがあげられます。 趣味・ボランティア活動・生まれ育った場所・思い出等を書いておくとよいのです。
これによって自分の人生を振り返ると同時に、家族に自分のことを改めて伝えられます。 また、葬儀の際、略歴紹介に使うこともできますね。
個人情報について
個人情報としては、本籍・マイナンバー・過去の住所・家系図などを書いておきます。 学歴や職歴、資格などについてもまとめておきましょう。
これらのことを忘れないうちにしっかり書いておくと、家族が様々な手続きをする際に役に立つかもしれません。
ペットについて
高齢者だけで生活していたり、一人暮らしをしている場合は、ペットのことも忘れずに書いておきましょう。
予防接種の有無や健康状態・かかりつけ医・好きなフード・世話の仕方などを記載しておくと、自分が突然倒れた時にペットが困らずにすみます。
できれば、自分が世話できなくなった時にペットを任せられる人を探しておき、エンディングノートにもその人の連絡先を記載しておくとよいでしょう。
相続財産について
自分の財産や相続のことは、必ず記載しておきましょう。 預金先や投資先を整理して記載しておき、通帳や印鑑の保管場所も書いておきます。
不動産の記録や貴重品なども記録を残し、誰に何を相続させるのか明記しておきましょう。 遺言書がある場合は、その保管場所も忘れずに。
医療・介護について
自分の病気や今受けている医療・薬・かかりつけの医師についてもまとめておきましょう。 いざという時に、家族がすぐに対応できるようにするためです。
また、病気や認知症で意思の疎通が難しくなった時、終末が近づいた時、どのような医療や介護を受けたいのか、という点も記載しておきましょう。
葬儀・納骨について
葬儀の在り方についても、よく考えて希望を書いておきましょう。 特に、家族葬や密葬にしたいという時には、はっきりその旨を書き残しておく必要があります。
また、どこを墓とするのかという点も書いておきましょう。 特に家族と異なる場所や散骨を希望するような時は、そのことを書いておきたいものです。
親しい友人・知人の連絡先
エンディングノートには、いざという時に連絡してほしい友人や知人のリストを書いておきましょう。
葬儀の際、誰に連絡したらいいのかということや連絡先がわからず困ったということがよくあります。
友人・知人の名前と、関係性(学校時代の友人等)、連絡先をまとめておきましょう。
ご家族へのメッセージ
エンディングノートには、残された家族への思いを書き残しておくことがあります。 自分に何かあった時に家族が見るものなので、事務的な内容だけでなく、心のうちも書いておきたいものです。
この機会に、これまでの感謝や幸福を祈る言葉、残しておきたい指針などをつづっておきましょう。
エンディングノートの保管
エンディングノートを書いた後は、保管場所を考える必要があります。 個人情報や銀行口座等、大切な情報が書かれているので、慎重に場所を選ぶ必要があるのです。 特に紙のノートの場合は、盗難に遭いにくい場所を選びましょう。
本棚や仏壇、机の引き出しなど自分のプライベートな場所に置く人が多いようです。
ただし、いざというときに家族が見つけてくれなくては困ります。 エンディングノートを書いた、ということは必ず家族に話しておきましょう。
その上で、家族が覗き見をしないと信頼できるのなら保管場所を教えておきましょう。
心配ならしっかり封をして、ハンコを押しておくという方法もあります。 保管場所(デジタルデータならパスワード)を書いた紙を自分の財布に入れておくという人もいますよ。
エンディングノートのコツ
ときどき見返してみる
エンディングノートを書く上で、大事なポイントは「ときどき見返してみる」ということです。 財産については、少しずつ増減していくものなので、1年ごとに書きなおすとよいでしょう。
また、医療や介護の方針、葬儀のやり方についても、考え方が変わることがあります。 時々見直すことで、その時その時の考え方にあった方針を選ぶことができるでしょう。
誕生日や記念日等、ノートを見返す日を決めておき、読み直してみると、自分の来し方行く末について改めて考え直す機会となるはずです。
わからないことは空欄でもOK
エンディングノートを書く中で、どう書いてよいかわからないことがでてくるかもしれません。 そんな時は、無理をして空欄を埋める必要はないのです。
特に、葬儀について想像するのが辛かったり、医療の方針について迷ってしまい決められないという場合もあります。 時期がたてば考えがまとまることもあるので、わからないところは空欄でもOKという気持ちで取り組むとよいのです。
まずは、ノートを用意して書けるところから書いていきましょう。
エンディングノートの講座
書き方に迷う場合は、書き方解説の講座を受講する方法もあります。 このような講座では、ノートを書くための予備知識や老後・死後について考えを整理する方法について解説してくれるのです。
エンディングノートは、生前整理や、相続の法律的な問題、終末医療の問題、葬儀・納骨の方法等について知っておくと書きやすくなります。 また、自分一人では気持ちの整理をつけにくい、という人にもこのような講座はおすすめです。
こうした講座は、行政書士や終活アドバイザー、葬祭会社などが主催して行うものもありますが、自治体の公民館で市民講座として行われることもあります。 最近では、オンライン会議システムを使った講座や、動画を視聴する講座もありますよ。
エンディングノートの書き方講座は、1回で終了する簡単なものから、数回にわたって詳しく解説するものもあります。
無料の講座もあるので、これから書こうと思う人は参考にしてみるとよいでしょう。
エンディングノートで遺した思いを実行する人がいない場合は
エンディングノートは、いざという時、家族が困らないためのものです。 しかし、もし独り身や家族と疎遠の場合、自分の希望を遺しても実行してくれる人がおらず悩まれるのではないでしょうか。
そこでご紹介したいのが、身元保証をすることで、「家族代行」の役割を担ってくれるサービスです。 例えば「身元保証相談士協会」は、希望の供養や遺言を執り行う等のサポートをしてくれます。 身寄りがいない方でも、エンディングノートで遺した思いを実行できるようになるのです。
さらに死後だけでなく、生前に必要な、高齢者施設の入居手続きや必要品の購入代行、入院の手続きや緊急時の駆け付け等も行います。
もしご自身の老後や死後にお悩みを抱えている方がいらっしゃれば、無料相談を活用し、専門家に相談することも良いでしょう。
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