シニア向けの介護付きマンションとは?設備やサービスを説明します!
公開日: 2022年10月07日
更新日: 2022年10月24日
- 介護・高齢者施設
老後の住まいの選択肢として、介護付きマンションというものがあります。
介護付きマンションとは、どのようなものなのでしょうか。
ここでは、介護付きマンションの設備やサービスについてご紹介します。
加えて、入居の条件や必要な費用も気になりますね。 更に、介護付きマンションのメリットやデメリットについても解説します。
介護付きマンションとは?
近年、新聞の広告などで見かけるようになった介護付きマンション。
シニア向け分譲マンションとも呼ばれています。
高齢者向けの住まいの中でも、賃貸ではなく分譲で購入されることが大きな特徴です。
このマンションはシニア向けなので、通常のマンションとは異なる点があります。
例えば、バリアフリーの設計がされており、身体が弱った人でも安全に暮らせる造りになっているのです。
また、見守りサービスがあり、深夜に体調を崩しても対応してもらえます。
その他、多くの介護付きマンションに見られるのが、宅配便の受け取りや来訪者の受付をするサービスです。
館内にプールや大浴場など豪華な設備があるケースも多く、一般的に富裕層向けの住居といえるでしょう。
このようなマンションは、市場としてはまだ数が少ないのが現状です。
介護付きマンションとサービス付き高齢者向け住宅の違い
介護付きマンションとサービス付き高齢者住宅(いわゆるサ高住)は、高齢者でも自立度の高い人向けという点で似ています。
ただし、大きく異なる特徴もあるのです。
契約の方式の違い
介護付きマンションとサ高住の違いとしては、まず所有権の有無という点があげられます。
介護付きマンションは分譲マンションであり、購入して自分のものにできるのです。
普通の分譲マンションと同じく、数千万円以上の代金を支払うか、ローンを組んで買うことになります。
一方、サ高住の場合は賃貸なので、毎月家賃を支払って暮らす形です。
サ高住の場合は、支払った家賃はそのまま消費されてしまいますが、介護付きマンションの場合は購入したのですから資産となります。
相続で子孫に残すこともでき、いざという時には売却や賃貸で資金を作れるのです。
提供されるサービスの違い
介護付きマンションで提供される主なサービスは、見守りと生活相談です。
一方、サ高住でも、ケアスタッフにより安否確認と生活相談を合わせた見守りが提供されるという点で似た部分があります。
ただし、サ高住ではスタッフが日中しか出勤していない所もある一方、介護付きマンションでは、24時間スタッフがいることが多いのです。
中には、看護師の配置や医療機関と連携しているところもあります。
これに加えて施設の面でも充実しており、大浴場やフィットネスの施設、来客者の宿泊場所が設けられているマンションも。
自宅のキッチンで食事を作ることも出来る一方で、館内のレストランでもシニアの健康に配慮した食事が提供されます。
設備の基準の違い
サ高住と介護付きマンションでは、設備の基準が異なります。
サ高住では居室の面積が法律で定められている一方、介護付きマンションでは特に規定がありません。
サ高住の設置基準では、居室の面積が一人暮らしの場合で原則25㎡以上と定められています。
25㎡というのは約15.5畳で、この中にキッチン・トイレ・浴室・収納が含まれているのです。
また、サ高住の場合は、共用部分に十分な広さのキッチンや収納・浴室があれば、これらを専有部分に設置しなくてもよいことになっています。
この場合、トイレと居室で合わせて18㎡以上あればよいとされているのです。
一方、介護付きマンションの場合は、一般的に35~100㎡程度と比較的広い居室が多くなっています。
サ高住と比較すると、かなり余裕のあるつくりといえるでしょう。
介護付きマンションの入居条件
介護付きマンションでは、最初に入居する際、条件が決まっていることがあります。
条件の一つは自立度です。
介護度の軽い要支援の人を受け入れていることもありますが、基本的には、介護の必要がなく自立した生活ができる人が対象となります。
その上で、介護が必要になった時には、介護サービスの事業者と契約を結んで世話をしてもらうことも可能です。
そのために、介護付きマンションでは、介護サービス事業者と提携しているところもあります。
ただし、寝たきりの状態になったり認知症を発症したために、マンションでは生活できなくなり別の施設に移るケースもないわけではありません。
もう一つの条件は年齢制限です。
入居時に60代までなど、上限が決められている場合があるので確認しておきましょう。
介護付きマンションの費用
介護付きマンションに入居する際は、まず通常の分譲マンションを購入した時と同じような費用がかかります。
初期費用として必要なのは、マンションの購入代金や火災保険・登記費用・引っ越し費用などです。
購入代金は、マンションの設備や立地条件によって大きく異なりますが、数千万円から数億円に及ぶことも。
更に、マンションの場合、管理費や修繕積立金などが毎月徴収されることや、固定資産税にも注意が必要です。
加えて、館内の様々な施設・サービスの利用料が必要となります。
食費や光熱費、身体が弱った時の介護サービス料も考えておきたいところです。
購入を検討する際は、慎重な資金計画が必要といえます。
介護付きマンションを選ぶメリット・デメリット
メリット
バリアフリーが整備されている
介護付きマンションの場合、通常の住宅と異なり、バリアフリーになっていることがメリットといえます。
居室やトイレ・浴室なども、高齢者の方が暮らしやすいような設計になっているのです。
高齢になると足腰が弱り、自宅内でも転倒などの事故が起こりやすくなります。
そのため、段差を減らし必要な場所に手すりが取り付けておくなどの配慮が見られるのです。
また、共用部分にも手すりやベンチがあり、車いすが使いやすいようにスロープが設置されています。
バリアフリーの建物であれば安全性が高く、身体が弱っても安心して生活できるでしょう。
サービスが充実している
介護付きマンションでは基本的に、食事の提供・フロントでの来客対応などのサービスが揃っています。
加えて、スタッフが常駐していて、安否確認や緊急時における救急車の手配等もしてくれるのです。
また、それぞれのマンションによって異なりますが、温泉やプール・ジム・レストラン・図書室・カラオケルームなどの娯楽施設が併設されています。
マンション内で楽しめるので、余暇を充実させ、運動や入浴で健康を増進することができるでしょう。
このような施設を利用することで、入居者同士のコミュニケーションを図ることができ、同じような世代の友人を作ることもできます。
資産として利用できる
介護付きマンションの場合、所有権があるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
資産の一つとして、家族への譲渡や相続をすることができるので、資金が無駄になりません。
サ高住など賃貸の物件では家賃を支払いますが、それは資産とはならないのです。
また、有料老人ホームなどは高額の入居一時金が必要で、退去の際もそれが返却されない場合があります。
介護付きマンションの場合は、退去の際は売却や賃貸にすることもできるでしょう。
活用する方法が多いというのが、所有権のある介護付きマンションのメリットといえます。
デメリット
介護サービスは受けることができない
介護付きマンションと言っても、ただ購入しただけでは介護サービスは受けられません。
訪問介護などのサービスが、あらかじめ用意されているわけではないのです。
もしも介護が必要になった時には、自分で外部の介護事業所と契約する必要があります。
また、要介護度が高い人や認知症が進んだ人は、住み続けることが困難になる例もあるのです。
このような点が、いわゆる老人ホームとの大きな違いといえるでしょう。
ただし自分で契約をするので、必要な介護サービスだけを選んで利用できる点はメリットとも言えます。
費用が比較的高い
介護付きマンションは、基本的に富裕層をターゲットとした商品で、購入費用が割高になりがちです。
特に、豪華な大浴場や娯楽施設・レストラン等があると、その分の価格が上乗せされます。
また、管理費も一般的なマンションよりも高いことが多いでしょう。
来客者への対応や24時間の見守りをしてくれるスタッフの配置がある分、費用が掛かるのです。
立地条件や専有部分の広さにもよりますが、一般的なマンションと同等かそれ以上の費用が必要といえるでしょう。
介護付きマンションを検討するなら他の施設とも比較してみよう
介護付きマンションとは、自立した高齢者が将来の介護も考えたうえで購入する分譲マンションです。
バリアフリーの設備や見守りサービス、豪華な娯楽施設等が付属しており、安心して充実した老後を送りたいシニアには魅力的な住まいといえるでしょう。
ただし、要介護になった時には自分で介護サービス事業所と契約をする必要があることなど、注意点もあります。
高額の費用もかかるので、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅等、他の施設とも十分に比較して検討しましょう。