介護施設であるケアハウスとは?種類やサービスを解説します!
公開日: 2022年08月26日
更新日: 2022年08月26日
- 介護・高齢者施設
高齢者が入居できる施設の一つに、ケアハウスというものがあります。
ケアハウスとは、どのような所なのでしょうか。 ここでは、ケアハウスの特徴や種類について解説します。
ケアハウスで受けられるサービスや介護への対応についても見ていきましょう。
また、ケアハウスの利用に必要な費用やメリット・デメリットについても説明します。
ケアハウスとは?
高齢者の介護施設の一つであるケアハウス。
自宅で生活するのが難しくなった高齢者を受け入れてくれますが、その特徴は費用負担が軽いことです。
一般の有料老人ホームの場合、入居一時金や月額の利用料が高く、人によっては入居が難しいかもしれません。
しかしケアハウスなら、これらの料金が低く抑えられており、年金の受給額等が少ない人でも利用できます。
ケアハウスの経営は、主に医療法人や社会福祉法人ですが、国や市町村から運営の補助金が出されているのです。
そのため、比較的軽い経済負担で利用できるようになっているのですね。
ケアハウスは軽費老人ホームと呼ばれる施設の一種で、別名を「軽費老人ホームC型」といいます。
なお、軽費老人ホームのA型・B型は新規の建設が行われなくなり、現在はC型であるケアハウスが主流となっているのです。
ケアハウスの種類
一般型(自立型)
一般型または自立型と呼ばれるタイプの場合、60歳以上の人で、介護が必要ではないが生活に不安のある人が入居できます。
夫婦で一緒に入居することもでき、その場合は夫と妻のどちらかが60歳以上であれば利用が可能です。
ここでは、食事や洗濯・掃除等、生活支援のサービスが受けられます。
家族による支援が受けられない高齢者でも、ケアハウスへの入居で生活が安定し、夜間も見守ってもらえる点はありがたいといえるでしょう。
ただし、基本的に自立して生活できることが条件となっており、入居できるのは要支援1~2までの人です。
もし入居後に介護が必要になった場合には、外部の介護サービス業者と契約を結んで介護を受けるか、他の施設に移ることになります。
介護型(特定型)
このタイプの場合、原則的に65歳以上の人しか入居できません。
また、介護認定の中でも要介護1以上の人が対象です。
一般型と同様に、食事や洗濯等の生活支援サービスが受けられますが、ここでは同時に身体介護や医療的なケアも提供されます。
介護職員が配置されており、介護の必要性に合わせて入浴や排泄の介助を受けられるのです。
また、看護師の配置もあるので、体調に不安がある人でも注意して見てもらえるでしょう。
介護度が上がっても退去する必要がなく、安心して老後の生活を送ることができますね。
一般型と比較すると介護職員の配置が手厚く、ケアマネージャーや機能訓練指導員の配置も義務付けられています。
ただし、介護サービスを受ける分、一般型と比較して月々の費用が多くかかる点に注意が必要です。
ケアハウスのサービス内容
食事サービス
高齢になると、自分で買い物をして食事を作るのが大変という人もいます。
しかし、ケアハウスでは毎日3食の食事を用意してもらえるので、安心です。
しかも用意されるのは、きちんと栄養バランスを考えて調理されたもの。
生活習慣病の心配が増える高齢者にとって、理想的な環境と言えるでしょう。
また、介護度が進んだ高齢者の中には、食べ物を飲み込むことが困難になる人もいます。
ケアハウスでは、各人の状況に合わせて、柔らかく調理したものや流動食も提供されるので安心です。
アクティビティ
多くの老人ホームと同様に、ケアハウスでも様々なアクティビティが用意されています。
様々な活動を行うことで、心身の健康を維持することが目的です。
例えば、お正月や夏祭りなど、季節ごとの行事・イベントを行っている例が見られます。
施設によって活動内容は様々ですが、手芸やスポーツなどの趣味の会、旅行などが企画されることも。
このような活動に参加する中で、楽しみを見つけ、自然と身体を動かすことができます。
また、入居者同士交流を深め、新しくお友達ができるかもしれません。
緊急時の対応
ケアハウスでは、夜間も含めて、職員が24時間常駐しています。
そのため、急なトラブルがあっても対応してもらえるので安心です。
急病やケガをした場合にも、職員がすぐに対応してくれます。
ケアハウスは基本的に個室になっていますが、室内に警報ボタンやセンサーが設置されているので、異変があればすぐに察知できるのです。
これまで、自宅で不安を感じながら生活をしていた高齢者でも、見守りを受けながら安心して生活できるようになるでしょう。
ケアハウスのサービス費用
入居してサービスを受けるための費用には、大きく分けて初期費用と月額利用料があります。
初期費用は、入居一時金や保証金と呼ばれるものです。
入居一時金や保証金は、施設によって大きく異なります。
0円という施設もあれば、数百万円の費用が掛かるところもあるのです。
また、保証金等は、退去時に返還される場合とされない場合があります。
どのような規定になっているかは、施設によって異なるので確認しましょう。
また月額利用料として、家賃や食費・光熱費・日用品代等が徴収されます。
多くの場合、一般型も介護型も6〜17万円程度が必要です。
その他、介護を受ける場合は介護サービス費、場合によっては医療費も必要になります。
介護サービスの分は、介護保険が使えるので1~3割程度の負担で済みますが、この費用も含めて月々にいくら必要となるかを考えましょう。
ケアハウスのメリット・デメリット
メリット
費用が比較的安い
ケアハウスの場合、施設が公的な補助金を受けているため、費用負担が軽いというのが大きな特徴です。
年金額や貯蓄が少ない人でも、入居しやすいのがメリットですね。
例えば、通常の有料老人ホームの場合、入居時には数百万が必要なところも多くあります。
しかし、ケアハウスの場合、初期費用0円というところもあるのです。
月々の利用料も、有料老人ホームの場合、15万~30万円がかかりますが、ケアハウスでは6万~17万円で済みます。
設置されている場所や、施設の設備によって月額利用料は異なりますが、基本的にはケアハウスの方が経済的といえるでしょう。
入居者の交流ができる
ケアハウスに入居すれば、他の入居者との交流ができ、老後の生活を楽しんで過ごせるかもしれません。
足腰が弱っていく中、自宅で生活していると閉じこもりきりになる高齢者もいますね。
しかし、ケアハウスでは同じような立場の人同士が隣り合って生活しています。
施設の中で様々なイベントも行われるので、自然と他の入居者と触れ合う機会ができるでしょう。
人とおしゃべりをし、一緒に行動する機会を持つことは、老後の生活を充実させるために役立つかもしれません。
また、身近に仲間がいて共に生活できることは、精神的な支えとなり、心の健康を保つ効果も期待できます。
プライバシーが保護されている
ケアハウスの大きな特徴は、個室が用意されているということです。
夫婦で一緒に入居している場合は、二人だけの部屋を使うこともできます。
個室内には、トイレや収納がある例も多く、プライバシーを守ることが可能です。
従来の老人ホームの場合、大部屋にベッドが並んでいるというところもありますが、ケアハウスでは個別に自分の荷物を置いて生活ができます。
介護を受ける場合も、周囲の人の目を気にしたり、夜間の介護で周囲に迷惑をかけるのではという心配がありません。
外出や家族の訪問には届け出が必要な場合もありますが、大きな制限がなく比較的自由に生活できるでしょう。
デメリット
入居が困難である
ケアハウスのデメリットは、入居がしにくいということです。
他の老人ホームと比較すると施設自体の数が少なく、入居できる人数が限られています。
また、費用負担が軽く自由に生活できるので、多くの人が入居を希望しているため、どうしても空室が少なくなるのです。
入居を希望する人は、申し込みをして待機することになりますが、空きが出るまで1年以上待たされることもあります。
特に介護型の場合は、入居できるのが要介護1~5の認定を受けている人だけです。
また、重い認知症の人は受け入れていない施設もあり、人によっては入居を断られることもあります。
介護が気になる人はケアハウスも一つの選択肢として検討を
高齢になると夫婦だけ、あるいは1人で生活するのが大変になります。
かといって有料の老人ホーム等に入居するのは、多額の費用負担が必要です。
ケアハウスなら、比較的軽い金銭負担で見守りや介護を受けながら生活できます。
他の老人ホームと比べるとあまり知られていないかもしれませんが、介護が気になる人はケアハウスを一つの選択肢として検討したいものです。
ただし、定員が限られている施設なので、入居を希望するなら早めに申し込みをすることが必要ですね。