介護施設への入居前に見学を!見学のマナーや見るべきポイントとは?

公開日: 2022年09月12日

更新日: 2022年10月24日

  • 介護・高齢者施設

高齢になって老人ホームなどの施設に入居したいと思った時、まずは見学をする人が多いのではないでしょうか。
ここでは、介護施設の見学について、その必要性や方法について解説します。

介護施設の見学の際は、どのような準備をして何を持っていけばよいのでしょうか。
また見学の際、特に気を付けるべき点やマナーについても確認しておきましょう。

介護施設見学が必要な理由

介護施設に入居する前は、必ず見学をすることが必要です。
実際に足を運んで自分の目で見ることで、その施設の雰囲気や特徴を確認できるでしょう。

施設入所を検討する際には、ホームページやパンフレットを見る人も多いかもしれません。
しかし、そのようなものだけでは実際の様子は把握しきれないものです。

職員や利用者の状況を実際に見たり質問をしたりすることで不安を減らし、本人に合った施設かどうか確認できます。
それによって、入所後「こんなはずではなかった」と後悔することを避けられるでしょう。

見学をすることは、施設の側にとってもメリットがあります。
「自分には合わない」などと短期間で解約されてしまうよりも、見学によって十分納得して入居してもらったほうが望ましいからです。

介護施設見学の事前準備

施設の情報を集めておく

見学に行く前には、パンフレットやホームページなどで一通りの情報を集めておきましょう。
何の情報もなく見学に行くと、基本的なことを理解するだけで終わってしまいかねません。

パンフレット等で見た情報をもとに、更に詳しく確認したい部分、気になる点を見つけておきましょう。
このような準備によって、見学がスムーズにできるはずです。

例えば、施設の位置や交通の便、入居対象となる条件と入居者数、施設内の設備、職員や資格保持者の配置、利用に必要な費用などの概略を、パンフレット等で確認しておきましょう。

質問事項をまとめておく

見学の前には、質問したいことをメモし、まとめておきましょう。
見学の時間は限られているので、メモを作っておけば効率よく質問ができます。

また、メモに従って質問をしていけば、うっかりして大事なことを聞き忘れてしまう危険が避けられるでしょう。
事前に施設での生活を想像し、確認しておきたいことを考えておくことが大切です。

利用する本人と家族とで、何を聞くべきか話し合ってメモを作るとよいですね。

必要な持ち物を用意しておく

施設の見学をする際は、筆記用具とメモ帳が必要なのは当然ですが、その他にも持っていくと便利なものがあります。
例えば、施設内の設備や周辺の様子を撮影するためのカメラがあると、後で雰囲気を思い出しやすくなるでしょう。

また、個室内に自分の家具を置く場合には、部屋の寸法を測ることも必要です。
そのためにはメジャーがあるとよいでしょう。

このように、見学の際に必要なものがないか考えて、持っていく用意をしておきたいものです。

介護施設見学でのチェックポイント

職員・スタッフの様子

その施設に勤務する、職員・スタッフの様子を確認することは大切です。
直接、利用者と接するので、安心して楽しく生活を送るために重要なポイントとなるでしょう。

丁寧に利用者と接しているか、笑顔が見られるかなど観察すると様子が伺えるはずです。
勤務が大変過ぎて疲れているようなら、余裕を持って利用者に接することができず、介護もおろそかになる可能性があります。

なお、長い期間その施設に勤務しているスタッフが多いようなら、職員にとっても利用者にとってもゆとりのある介護ができているといえるかもしれません。

建物・設備

見学の際は、建物や部屋の様子、設備等も確認しましょう。
安全で住みやすい施設かどうか、入居してからの生活を想像して確かめることが大切です。

例えば、手すりの配置や床の整備が十分で、転びにくい配慮があるかどうか見ておきましょう。
個室内の日当たりや広さ雰囲気も大切です。

また、トイレや浴室の使いやすさや清潔さもチェックしておきます。
食堂や談話室、リハビリ設備なども確認し、様子をメモしておきましょう。

施設の雰囲気

いくら建物や設備が充実していても、施設全体の雰囲気が良くないと、快適に生活できません。
施設内で暮らしている人の表情や、職員・利用者同士の雰囲気をさりげなく観察しておきたいものです。

和やかな雰囲気で過ごしている様子が伺えるなら、穏やかな生活を送れる可能性が高くなります。
逆に、利用者の表情が暗くギスギスした雰囲気があるようなら、避けた方がよいかもしれません。

ただし、利用したい人自身の価値観や性格によって、どのような場所が望ましいかは異なるものです。
ここで暮らしてみたいという雰囲気があるかどうか、確かめてみましょう。

介護やケアの体制

介護施設にはそれぞれ職員の配置基準が決まっており、最低限のスタッフが勤務しているのは当然です。
しかし、基準よりも手厚い人数が配置されている例もあれば、夜間は人手が減る施設もあり、どのような体制で見てくれるのか確かめる必要があります。

特に、夜間の見守り体制や、急病など緊急時の対応については、詳しく聞いておきましょう。
何人の職員がどのくらいの利用者を見るのか、緊急通報装置があるのか等を聞いておくと参考になります。

また、持病のある人にとっては看護師の配置や訪問医療があると安心かもしれません。
リハビリを受けたい人は、理学療法士等の配置やリハビリの実施状況も確認しておきたいものです。

契約内容や入居条件

施設に入居する際には、契約を結ぶことになりますが、どのような内容になるのか確認しておきましょう。
特に、入居時にかかる費用と入居後月々に支払う費用がどの程度になるのかという点は重要です。

入居時の一時金は、金額だけでなく退去時に返却される可能性や条件も確かめましょう。
月々に支払う費用については、室料・生活用品の費用・食費・介護費など、内訳を明確にすることが必要です。

また、施設によって利用できる条件が決まっています。
介護度や認知症の有無によっては、利用できない施設もあるので、注意しましょう。

途中で介護度が上がった場合や、認知症を発症した場合、退去を求められる例もあります。
終末期の看取りを希望するなら、施設内で可能かどうか聞いておく必要があるでしょう。

このような利用条件も含めて、契約内容を確認しておくと安心です。

周辺環境やアクセス

施設の設置されている場所は、様々です。
賑やかな市街地の施設もあれば、人里離れた場所にある施設もあります。

家族が訪問することを考えると、交通の不便なところは避けたい場合もあるでしょう。
まだまだ元気な高齢者なら、外出する際に便利なように交通アクセスの良さが大切という場合もあるのです。

一方、自然が豊かで景色のよいところを希望する人もいます。
このような点に加えて、水害等の自然災害の危険が少ない場所であるかどうかも注意したいところです。

介護施設見学のマナー

見学の時間帯を考慮する

見学の際は、日常生活の様子が分かりやすい時間帯を選ぶとよいでしょう。
利用者がそれぞれの個室にいる時間帯では、スタッフとのやり取りや介護の仕方を見ることができないからです。

例えば、昼食時やレクリエーションの時間帯などに合わせて見学すれば、施設の雰囲気がつかみやすいでしょう。
食事の内容や介助の様子、利用者の表情などを直接見ることができる良い機会です。

見学の予約をする際には、この点を考えて時間を決めるようにしましょう。

入居者への配慮をする

見学の際は、入居している方たちへの配慮を忘れないようにしましょう。
入居者は普段通りに日常生活を送っているので、それを邪魔しないように注意し、プライバシーに配慮することが大切です。

例えば、大きな声の会話や、入居者にむやみに話しかけることはマナー違反となります
入居者の話を聞きたい時は、職員に相談しましょう。

写真を撮る際は職員に断るようにし、人の姿が写らないようにする必要があります。
また、高齢者は感染症に弱いので、風邪気味の時などは延期してもらうようにしましょう。

大勢でいかない

本人と家族の数人で見学に行くのは良いのですが、大勢で行くと迷惑になります。
施設内の、日常生活の雰囲気を壊すことになるからです。

1人では気付けない点に気付ける可能性があるので、複数人で行くことはお勧めですが、2~3人程度にとどめましょう。
小さいお子さんを連れていくことは、できるだけ避けたいものです。

特に、静かに過ごしたい人や認知症の人などに配慮し、ざわざわした雰囲気にならないように気をつけましょう。

介護施設見学のポイント

複数回見学をしてみる

1回だけの見学では、その施設の様子がうまくつかめない可能性があります。
できれば、時間帯を変えて何度か足を運んでみましょう。

曜日や時間帯が変わると、施設内の行事や担当スタッフも変わります。
しっかりと実態を把握しようと思うと、数回の見学が必要でしょう。

また、見学をした後に疑問が生じることもあります。
2回目の見学をすれば、疑問や不安をそのままにせず実際に確認することができるでしょう。

施設への入居は、お金も手間もかかり、一度入居すると簡単には退去しづらいものです。
慎重を期して、何度か足を運ぶのは必要なことといえます。

いくつかの施設を見学する

最初に行ったところが気に入ったからと言って、簡単に決めてしまうと後悔する可能性があります。
いくつかの施設を見学し、比較検討をするようにしたいものです。

複数の施設を見学して比べてみると、それぞれの良い点や欠点が分かってくるでしょう。
施設を一つ見ただけでは判断できないことも、他と比べることで見えてくる場合があります。

複数の候補を用意し見学をした上で、一番良いと思ったところを選びたいものです。

入居後の安心のために介護施設の見学はしっかりと

介護施設への入居を決める際は、見学をして丁寧に施設の状況を見極めることが大切です。
介護をしてくれるスタッフや職員・入居者の様子などを見て、安心して暮らせるかどうか考えましょう。

また、建物や立地条件・設備も自分の目で見て、入居後の生活をイメージすることが安心できる老後につながります。
下調べや質問事項の整理など、しっかり準備をして見学に向かいましょう。

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