夜間の不安を解消する夜間対応型訪問介護!利用条件や内容をご紹介!

公開日: 2022年08月29日

更新日: 2022年08月29日

  • 介護・高齢者施設

介護を受ける人には、夜間の対応が必要な人もいます。
夜間対応型訪問介護とは、どのような特徴を持ったサービスでしょうか。

ここでは、夜間対応型訪問介護の利用条件や、サービスの内容について解説します。
また、サービスの費用や利用までの流れについても見ていきましょう。

更に、そのメリットやデメリットについても説明します。

夜間対応型訪問介護とは?

訪問介護サービスの一種である、夜間対応型訪問介護。
夜間にホームヘルパーが自宅に来てくれて、介護を受けられるサービスです。

このサービスを利用できるのは、基本的に夕方18時から翌朝8時までとなっています。
夜間に30分ほど訪問してくれ、安否確認をしつつ家事の援助や身体介助などをしてくれるのです。

また、緊急の場合にはスタッフに連絡して相談や訪問をしてもらうこともできます。
介護保険制度の中に、このサービスが組み込まれたのは2006年から。

夜間の介護が必要で、自宅では生活を続けるのが難しかった人も、このサービスを使えば在宅で暮らせるようになりました。
例えば、このサービスを使えば、1人暮らしの高齢者でも夜間に安心して自宅で過ごせます。

また、夜間の介護は家族にとっても大変な場合があり、このサービスの利用で負担を軽減できるのです。

夜間対応型訪問介護の利用条件

このサービスを利用できるのは、要介護1~5の認定を受けた人のみです。
介護保険を利用したサービスなので、まずは介護認定を受けるところから始める必要があります。

また、介護認定を受けていても、要支援1または2の人は利用できません。
介護度が低く、夜間の介助が必要でないと考えられるためです。

また、このサービスは「地域密着型サービス」と呼ばれるものの一つになります。
地域密着型の場合、利用できるのは原則的に「そのサービス事業者がある市区町村に居住している人」だけです。

従って、このサービスを受けたいと思ったら、お住まいの市町村内で事業者を探す必要があります。
なお、このサービスの対象となるのは在宅介護をしていることが前提です。

施設に入居して介護を受けている人が、このサービスを併用することはできません。
例えば、ショートステイやグループホームなどを利用している人は対象外です。

このような施設の利用者は、夜間の介護が必要な場合、その施設で提供しているサービスを受けなくてはなりません。

夜間対応型訪問介護サービスの内容

定期巡回サービス

このサービスでは、定期的にスタッフが訪問をして介護を行います。
例えば、週に2回、決まった時間に自宅に来てくれて、家事やトイレの介助をしてくれるのです。

1回の訪問は30分程度ですが、定期的に来てくれるので、介護と同時に異常がないか確認してもらえる安心感がありますね。
どの程度の間隔で訪問するかについては、事前にケアマネジャーと話し合いをして計画を立ててもらいます。

オペレーションセンターのサービス

夜間対応型訪問介護を提供している事業所には、「オペレーションセンター」が付属されていることがあります。
利用者に何か困ったことがあった際には、ここに連絡すれば対応してもらえるのです。

オペレーターの業務をできるのは、看護師・社会福祉士・介護福祉士などの資格を持ち1年以上その仕事に従事した経験のある人と定められています。
このような人が利用者の状況を聞き取り、どのような対応をしたらよいか指示やアドバイスをしてくれるのです。

また、必要な時にはヘルパーの派遣もしてくれます。
体調が悪化した場合には、救急車を呼ぶ対応もできるので安心です。

なお利用者が少ない事業所は、オペレーションセンターがなく、直接ホームヘルパーが連絡を受け付けるところもあります。

臨時対応サービス

臨時対応サービスとは、オペレーションセンター等への通報に応じて、訪問対応をしてくれるものです。
例えば、急病やベッドから転落してしまった時に連絡をすると駆けつけてくれます。

本人や家族から連絡があれば、必要に応じて1人又は複数のホームヘルパーが来てくれるのです。
また、主治医や訪問看護ステーションとも連携しているので、体調に合わせた対応ができるでしょう。

なお、このような時の連絡のために、利用者にはケアコール端末というものが渡されます。
ボタン一つでオペレーションセンターや担当者と繋がり、会話ができるようになっている装置です。

会話できる端末の他に、非常ボタンだけが付いたペンダント型の端末もあり、身に付けておけば室内のどこにいても通報ができますよ。

夜間対応型訪問介護サービスの費用

請求される費用は、ひと月当たりの基本料金と、利用回数に応じた料金の合算となります。
地域によって若干の違いがありますが、基本料金の目安は月額1025円です。

定期巡回サービスは、1回あたり386円が目安で、例えば週2回の設定にすると1か月で合計4,000~5,000円の負担となるでしょう。
これに加えて臨時対応を利用した場合、その回数分の料金が必要です。

臨時対応で訪問した時は、ヘルパーが1人の場合と、複数名での訪問とで料金が変わります。
1人での訪問の場合は1回588円、複数名での訪問なら792円が目安です。

これらはいずれもオペレーションセンターが設置されている事業所の料金で、設置されていない事業所では定額で月2,800円となります。
なお、この料金は介護保険を適用して1割負担の場合の金額であり、収入が高い人は2~3割負担になる場合があるので注意しましょう。

夜間対応型訪問介護の利用の流れ

夜間に介護サービスを受ける必要があると感じたら、まずはケアマネジャーと相談をしましょう。
担当のケアマネージャーに、「夜間対応型訪問介護の利用をしたい」と伝えます。

もし介護認定を受けていないようなら、まずは自治体の高齢者支援課等に相談をし、介護認定を受けましょう。
要介護1以上という認定を受ければ、担当のケアマネジャーが決まります。

ケアマネジャーは利用者の希望に従って、週に何回定期訪問を設定するかなどを検討し、ケアプランの作成をしてくれるでしょう。
また、どの事業所にお願いするかという点も相談に乗ってくれます。

契約をする前に、候補となる事業所と面談をして料金やサービスの内容などの説明を受けましょう。
その上で事業所と契約を結べば、サービスの利用開始となります。

夜間対応型訪問介護のメリット・デメリット

メリット

遠距離介護でも安心できる

このサービスを使えば、遠距離介護でも安心できます。
夜間の介護を任せることができ、急なトラブルにも対応してもらえるからです。

昼間、他の介護サービスを利用していたとしても、夜間は自宅に1人になるので心配という場合もあるでしょう。
また、遠距離介護の場合、何かあった時には家族が駆け付けることになりますが、どうしても時間がかかってしまいます。

困った時にはボタン一つでオペレーターと話ができ、緊急時には近くの事業所から駆けつけてもらえるのは安心ですね。
この点は、遠距離介護をする家族と高齢者本人にとって、大きなメリットといえるでしょう。

介護の負担を軽減できる

介護をする上で、特に夜間の対応は負担が大きいものです。
夜間の介護をしてもらえるなら、家族の負担が軽くなるでしょう。

例えば、寝ているときに何度も起こされてトイレ介助をする家族は、十分に睡眠がとれず体調を崩しかねません。
特に老老介護の場合などは、共倒れになることも心配ですね。

また、介護者が仕事を持っている場合は、仕事に支障が出て介護離職に繋がるケースもあります。
夜間の介護をヘルパーに対応してもらえば、家族の負担を軽減してこのようなトラブルも避けられるでしょう。

夜間の緊急時にも対応してくれる

このサービスでは、夜の緊急時に対応が可能という点も、メリットといえます。
夜に体調を崩したり、ベッドから落ちてしまうといったトラブルはよくあることです。

例えば、深夜、急に体調を崩した場合などは、自分で救急車を呼ぶべきかどうか迷うこともあるかもしれません。
しかし、このサービスを利用していれば夜間でも連絡をして担当者に相談ができます

特に1人で暮らす高齢者の方にとっては、心強い味方となるでしょう。

デメリット

料金が高くなることがある

このサービスのデメリットとしては、費用が高額になる可能性もあるという点が挙げられます。
介護保険を利用するので、多くの場合1割負担となり、1回あたりの利用料は少ないように思えるかもしれません。

しかし、例えば毎日定期巡回サービスの利用をすれば、基本料金を含めて1か月で12,000円を超えます。
臨時対応も繰り返し利用すれば、費用がかさむことになるでしょう。

日中の介護も別の形でサービスを受けるなら、必要な金額は更に大きくなります。
計画を立てたうえで利用をして、料金の計算をしておくことが必要でしょう。

提供時間が限定されている

このサービスが提供されるのは、基本的に夕方18時から翌朝8時までとなっており、事業所によっては土日に時短営業や定休日が設けられている場合もあります。
この設定は厳格に決まっているので、個人の都合で動かすことはできません。

家族の都合で、この時間の前後に訪問してもらいたいと思っても対応できないのです。
決められた時間以外に訪問介護を受けるなら、別のサービスを契約する必要があります。

なお、オペレーションセンターのサービスは、24時間受け付けてくれる場合がありますが、追加料金が必要です。

夜間対応型訪問介護の特徴を押さえて上手に利用を

介護が必要な人は、夜間も介助を必要とすることがあります。
また、急な体調の変化など緊急時への対応があると安心ですね。

夜間対応型訪問介護は、このような要介護者への心強い支えとなるサービスです。
夜間の介護に負担を感じる家族にとっても、助けとなる可能性があります。

このサービスの特徴をよく知った上で上手に利用すれば、夜間の不安や負担を軽減できるようになるでしょう。

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