緊急連絡先は誰にするべき?おひとりさまの老後の緊急時に備えよう
公開日: 2022年01月07日
更新日: 2022年04月09日
- くらし全般
おひとりさまの老後では、なんらかの手続きの際、緊急連絡先の提出を求められて困ることがあります。 まずは、どのような時に緊急連絡先が必要となるのか見ていきましょう。 家族を頼りにできないおひとりさまの場合、誰に緊急連絡先となってもらうかということも問題となります。 安心して老後の生活を送るために、緊急連絡先を見つける方法もご紹介しましょう。
おひとりさまとは
おひとりさまというのは、一人暮らしの人のこと。 その中でも、特に中高年の人を指すことが多いようです。 結婚しないで年を重ね、親から独立しておひとりさまになる人。 また、両親との死別によって一人暮らしになる人もいます。 結婚していたとしても、配偶者との離別・死別によって一人になる人もいますね。 子供がいても同居せず、自由な一人暮らしを選ぶ人もいるのではないでしょうか。 近年、このような事情により、おひとりさまの高齢者は増えているといわれています。
おひとりさまが緊急連絡先を必要とする場面
部屋を借りるとき
おひとりさまの中には、家族が亡くなったタイミングで賃貸住宅に住み替えをする人もいます。 それまで住んでいた家が広すぎるので、一人暮らし用の部屋に引っ越すということです。 しかし、賃貸住宅に入居する際には、貸主に緊急連絡先を知らせておく必要があります。 何かトラブルがあった際、本人と連絡がつかなければ、緊急連絡先に電話することになるからです。
例えば、水漏れなどのトラブルがあった時、本人と連絡がつかないと困りますね。 このような時のために、入居の申込書には、必ず緊急連絡先を記入する欄があります。 つまり、緊急連絡先がなければ、賃貸住宅への入居はできないのです。
高齢者施設に入居するとき
おひとりさまの中には、高齢のため一人で生活するのが難しくなる人もいます。 心身が弱って身の回りのことが自分でできなくなれば、高齢者施設に入居することもあるでしょう。 この時、身元保証人が必要となることがあります。 身元保証人は高齢者施設での利用料を保証すると同時に、緊急連絡先も担うことになっています。 高齢者の場合、施設内でケガをしたり急に具合が悪くなったりすることも考えられますね。 このような時、施設側は身元保証人に連絡をし、医療機関への搬送を知らせることになるのです。 また、亡くなった時にも身元保証人に連絡が入り、死後の手続きや遺品の引き取りなどを行うことになります。
入院や手術をするとき
高齢の人の場合、急なケガや病気のリスクは年々高まっていきます。 時には、入院や手術が必要になる場面もあるでしょう。 その際も、緊急連絡先を担う身元保証人が求められます。 本人に代わって、治療に対する判断や費用の支払いをする人が必要になるかもしれないからです。 身元保証人がいないと、状況によっては入院を断られてしまうこともあります。 おひとりさまの場合は、いざという時のために、身元保証人になってくれる人を確保しておく必要があるでしょう。
趣味を楽しむとき
おひとりさまは自分のためだけにお金や時間を使えるので、趣味に没頭する方も多いですね。 しかし、その趣味のために緊急連絡先が必要となることも考えられますよ。
例えば、スポーツの大会に出場する場合には、申し込みの際に緊急連絡先を求められることがあります。 スポーツの最中に倒れてしまい、医療機関への搬送が必要になった場合には、主催者が緊急連絡先に知らせることになります。
また、旅行ツアーに参加する際なども緊急連絡先の記入が必要になることがありますね。 旅行先で急病などのトラブルがあった際には、緊急連絡先に連絡をして対応してもらわなければなりません。 このように、趣味の活動においても緊急連絡先が必要になることがあるので注意が必要です。
おひとりさまが緊急連絡先を確保するには
親戚や知人に頼んでおく
おひとりさまの場合、緊急連絡先が必要となった時も、同居の家族に頼むということができません。 いざという時、焦らず対応できるように、事前に誰かに頼んでおくことが大切です。 例えば、親戚や親しい知人に、いざというときには緊急連絡先に指定してもいいか聞いておくとよいでしょう。 早めに頼んでおけば、緊急連絡先が必要になったときもスムーズに対応できるはずです。
ただし、緊急連絡先に指定された人には一定の責任が伴います。 例えば、賃貸住宅に入居する際の緊急連絡先の場合、本人と連絡が取れない場合は安否確認を行うという重要な役割がありますね。 このような責任があることを十分に説明した上で、引き受けてもらうことが必要です。 信頼できる人に頭を下げて、しっかりとお願いしなくてはいけませんね。
任意後見制度を利用する
緊急連絡先としては、任意後見人を選定しておき、その人にお願いするという方法もあります。 任意後見制度とは、将来自分の判断能力が低下した時に備えて、事前に後見人を定めておくものです。 任意後見人の仕事は、財産管理や医療・介護などの契約を代わりに行うこと。 どのような後見事務を任せるかということも、判断能力がしっかりしているうちに決めておくことができます。 将来、認知症などで判断能力がなくなってしまったら、入院や介護施設への入所などの手続きが自分ではできなくなってしまう可能性がありますね。 そのような状況に備えるために、司法書士などに依頼して任意後見人になってもらうのです。 この任意後見人を緊急連絡先として指定しておけば、いざという時に対応してもらえます。
身元保証を行う団体に依頼する
緊急連絡先としては、身元保証サービスの団体を利用する方法もあります。 身元保証サービスとは、入院や施設入居の際に身元保証人(身元引受人)の代行をしてくれる団体です。 このような団体と契約して、いざという時に身元保証人になってもらうようにしておけば、緊急連絡先としても利用できます。 頼れる家族がいない人、遠い親戚や知人を頼ることに抵抗がある人は、このような専門家を頼ることも必要でしょう。 このような身元保証サービスが必要な人は多く、それに対応してくれる団体も増えています。
ただし、そのサービス内容や利用料金は様々で、単なる身元保証だけでなく、後見契約や葬儀の生前契約なども併せて行える団体もあります。 十分に比較検討を行った上で、自分に合った団体を選ぶ必要があるでしょう。
おひとりさまは事前に緊急連絡先を決めておくことが肝心
年齢を重ねると、入院や施設入所が必要な人も多くなり、緊急連絡先を指定するように求められることがあります。 また、賃貸住宅への入居や趣味の活動にも緊急連絡先が必要な場面があることは、知らない人も多いかもしれません。 おひとりさまは同居の家族がいない分、緊急連絡先を探すのが大変になります。 事前に頼める人を探してお願いをするか、場合によっては専門家を頼ることも必要といえるでしょう。
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