お墓がいらない人が増えている?お墓以外の供養方法も解説します!
公開日: 2021年05月17日
更新日: 2022年05月18日
- 葬儀・供養
最近では、お墓はいらないという人が増えてきました。 なぜ、そのように考えるようになったのでしょうか。 まずは、お墓を持つことのメリットとデメリットについて、説明します。
また、お墓を持つ以外の選択肢がないか、という点も考えていきましょう。 お墓を持たないで供養をするとしたら、どのような方法があり、どんな点に注意すべきか解説していきます。
お墓がいらない人が増えている背景
後継者がいない
お墓がいらないと考える理由としては、後継者がいない、ということが挙げられます。 お墓を引き継いで世話をする人がいないから、お墓を受け継いだり、購入することをためらってしまうのです。
最近では、少子高齢化が進み、後継ぎとなる子供や孫がいなくなる家も増えてきました。 また、核家族化が進むと同時に親と離れて暮らす子供が多くなったことで、故郷のお墓を守ることが難しくなっているのです。
お金がかかる
お墓はいらないと考えるもう一つの理由は、金銭的な問題です。 お墓を購入したり、維持するためにはお金がかかります。 墓地を新しく購入する場合、墓石代も加えると、100万円以上になることもめずらしくありません。また、先祖代々のお墓があったとしても、後継者が毎年維持費を負担する必要があります。 このような金銭的な負担の大きさが、お墓はいらないという原因となっているのです。
お墓を建てるメリット
安心して埋葬できる
もちろんお墓を持つことには、一定のメリットもあります。 まず、お墓があれば、いざという時に安心して埋葬できるという点です。 人が亡くなった場合、通常は火葬にして遺骨にします。
その後、埋葬することは法律で義務付けられているし、いつまでも遺骨を自宅に置いておくのも落ち着かないものです。 お墓を持っていれば、どこに埋葬すればよいか悩まずにすむでしょう。
先祖との繋がりを感じられる
お墓があると、先祖との繋がりを感じられる、という点も利点と言えます。 お盆やお彼岸、故人の命日などにお墓参りをし、心の中で故人と語り合ったり先祖に思いを馳せたりする人は多いでしょう。
ここに先祖が眠っている、という実感が得られるのが、お墓という場所といえます。 「○○家の墓」というモノがはっきりと残るので、先祖との繋がりを実感できるのです。
お墓を建てるデメリット
金銭的な負担
お墓の購入には、大きな金銭的な負担が必要です。 特に、都市部で交通の便が良い場所なら、墓地の価格は非常に高くなります。 墓石も質の良いものを買おうと思うと高額になるうえ、墓石に家名を彫る費用も必要です。 また、お墓を維持していくためにもお金がかかることを考えなくてはなりません。
例えば、亡くなった人を埋葬するたびに、墓石屋さんに名前や命日を掘ってもらったり、納骨のためにお墓のふたを開けてもらう費用がかかります。加えて、お寺にお墓があるなら檀家としてのご供養料が必要だったり、墓地の管理費なども毎年のように支払っていく必要があるのです。
管理ができない
お墓を建てた後の管理が難しいという問題もあります。 お墓を建てたら、誰かがそのお墓を受け継いで管理していかなくてはなりません。 毎年管理料等を払い、お墓を掃除する手間がかかるのです。
しかし、このようなことができる人が代々いるとはかぎりません。 昔は長男がこのようなことを行ってきましたが、今は様々な理由からそれが望めないケースも多いのです。
きちんとした管理をしないと、無縁墓とされてしまうこともあります。
墓じまいの方法
墓じまいとは、これまで使っていたお墓を撤去し、その土地を墓地の管理者に返還することです。 墓石を取り除き、埋葬されているお骨は永代供養墓など別の場所に移すことになるでしょう。 承継者がおらず、このままではお墓を維持できないということになったら、墓じまいを行う必要があります。
墓じまいを考える場合は、まず埋葬されているお骨をどこに移すのか検討しましょう。 例えば、自分の住んでいる地域に近く、お墓参りをしやすい場所に永代供養墓を探し、そこに合葬してもらう方法などがあります。
次に、墓石を取り除いてもらうよう、墓石業者に依頼することも必要です。 墓じまいの際は、墓地の管理者に連絡することに加えて、改葬許可証を取得することも必要となります。
改葬許可証は、墓じまいする墓地が存在する市町村の役場で発行してもらいましょう。 また、墓石を処分する際には、僧侶に閉眼供養の読経をお願いすることがあります。
お墓がお寺にある場合は、僧侶に前もって相談しましょう。 墓じまいと同時に檀家を抜ける場合には、離檀料を請求されることもあるので確認が必要です。
お墓以外の選択肢
永代供養墓
通常のお墓とは異なり、永代供養墓は「合葬」という形になります。 家族以外の他人のお骨と共に、一つの大きな墓に埋葬される形です。 永代供養墓は、多くの墓地やお寺に設けられています。
○○家の墓、という墓標はありませんが、代わりに大きくて立派な納骨堂や石碑があるのが特徴です。 永代供養墓には、遺骨を他人のものと一緒に混ぜて埋葬する形と、一体ずつ袋や骨壺に納めた遺骨を一つの納骨堂に納める形があります。 いずれも、半永久的に僧侶による供養や管理をしてくれるので安心です。
永代供養墓の場合、基本的に一度お金を支払ってしまえば、その後毎年の管理料などは必要ありません。 最初にかかる費用も、個人で墓を建てるよりもかなり少なくてすむことがほとんどです。
樹木葬
樹木葬とは、木の根元に遺骨を埋葬するものを指します。 シンボルとなる樹木を植えた専用の場所に、お骨を埋めるものです。 樹木葬では、基本的に、同じ場所に色々な人が遺骨を埋葬します。
また、最近では、個人別にお骨を埋めるスペースを決めることができたり、銘板を置いて、専用の容器に入れて埋葬する樹木葬もでてきました。
いずれにしても、通常の墓石とは違い、樹木の下で自然に還っていくというイメージを持てる埋葬方法といえるでしょう。
最近では、多くの墓地やお寺で、このような樹木葬専用の場所が設けられるようになってきました。 プランによって費用は異なりますが、一体ごとに永代使用料を払う形なのでお墓に入る人数が少なければ通常の家族墓を買うより経済的なことが多いようです。
散骨
散骨には、海洋葬、宇宙葬等があります。 いずれも遺骨を粉にして自然に還すものです。 海洋葬の場合は、海に船を出し、漁業などの邪魔にならないような沖合で、お骨を撒きます。 専門の業者もあり、散骨の中でも多く行われている方法です。
宇宙葬の場合は、遺骨を小さなカプセルに詰めて、ロケットで打ち上げます。 かなり高額の費用がかかりますが、宇宙にあこがれのある人なら検討してみたい方法かもしれません。 ただし、このような宇宙葬はかなり高額になります。
またすべてのお骨を撒けるわけではないので、残りのお骨の埋葬方法を考えなくてはいけません。 その他、バルーン葬といって、バルーンに遺骨を入れて成層圏で散骨をするタイプの宇宙葬もあります。 この方法なら、すべてのお骨を散骨することが可能です。
株式会社SPICE SERVE クルーズ事業部 シーセレモニー課 課長
島田快 さんのコメント
実際に散骨されたお客様のご感想として、散骨をしてより明るく前向きになれたという方や、きちんとお見送りができホッとしたというご意見を多く頂いております。 また、想像していた以上に明るく、ポジティブなお見送りになったと感謝していただいております。
手元供養
手元供養とは、手元に遺骨の一部を置いて供養することを指します。 いつでも身近にお骨があるので、亡くなった方がそばにいてくれるという安心感が得られるでしょう。 散骨や墓じまいをした後も、手元に少しだけ遺骨を残しておけます。
それによって、お墓まいりのかわりに、いつでも自宅で供養ができるのです。 手元供養の方法には様々なものがあり、自分で小さな容器に遺骨を入れておいてもよいでしょう。
手元供養専用の容器や、それを安置するための小さなお仏壇なども販売されていますよ。
また、ペンダントや指輪にお骨を入れるものや、遺骨を樹脂で加工してペンダントヘッドにするプランもあるのです。 お墓がないとちょっと寂しい、お参りできるよりどころが欲しい、という方は手元供養も検討するとよいでしょう。
お墓を建てない場合の注意点とは?
家族や親族の理解が必要
お墓を持たない、または、墓じまいをするという選択をするなら、家族や親族の了解を得ておきましょう。 家のお墓が無かったり、散骨などの方法をとることに抵抗がある人もいるからです。
家族や親族の理解がないまま決めてしまうと、後々トラブルになってしまうこともあります。 必ず、なぜそうするのかをはっきりさせ、事前にきちんと説明して了解を得ておくようにしましょう。
また、自分自身が「お墓はいらない」という場合は、生きているうちに家族に希望を伝えておいたり、エンディングノートに書き残しておくと、他の親族に説明がしやすくスムーズにことを進められるようになります。
遺骨を取り出せなくなる
もう一つ注意が必要なのは、散骨や永代供養をすると「後から遺骨を取り出すことができなくなる」場合がある点です。 後になって、やっぱり家のお墓を建てたい、ということになっても、散骨してしまえば不可能となります。
また、永代供養墓の中には、他人の遺骨と混ざる形になるタイプのものもあります。 この場合も、後からお骨を取り出すことは不可能です。 今後、家のお墓を建てる可能性があるのなら、合祀式の永代供養墓は避ける等、注意が必要です。
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